葬儀の準備は多くの方にとって初めての経験であり、特に『祭壇選びはよく分からない』という方が多いかもしれません。そんな不安を和らげるため、葬儀の祭壇に関する基本情報から費用を抑える方法まで、祭壇に関する基本的な情報を発信していきます。ぜひ参考にしてください!
この記事を書いた人
立ち華葬祭 COO 高橋 哲彦
葬儀業界歴20年。その中で対応した葬儀の施行件数は3000件以上。
現在は川越市の葬儀社「立ち華葬祭」でCOO(最高執行責任者)として、お客様の理想の葬儀をお手伝いしております。そしてその専門知識や経験をもとに、川越市を中心とした方々に葬儀の役立つ情報をご提供しています。
祭壇とは
祭壇は、亡くなった方のために設けられる特別な場所で、供え物や遺影を置いて故人を弔うための台です。葬儀において中心的な役割を果たし、故人の存在を象徴する重要なシンボルとなります。
葬儀で使用する祭壇の種類
葬儀で用いられる祭壇には多様な種類があり、仏教だけでなく、それぞれの宗教や文化に応じた特徴があります。ここではそれぞれの違いについて解説していきます。
仏教の祭壇の特徴
仏教式の葬儀では、通常、白木で作られた祭壇を使うことが多いです。その外見はシンプルですが、厳かな雰囲気を醸し出す美しさを持っています。白木は「清らかさ」と「新しさ」を象徴するため、選ばれやすいです。祭壇では遺影と白い花が目立つように配置されており、祭壇の一番奥の上部には、昔、棺を運んでいた輿(こし)を模した装飾が施されています。この祭壇は、日本古来の風習や文化を反映していると言えるでしょう。
神道の祭壇の特徴
神道の葬儀では、仏教の葬儀と同様に、白木製の祭壇を使用することが一般的です。しかし、祭壇の装飾には独自の違いがあります。特に、鏡、剣、勾玉といった「三種の神器」をセットで飾るのが神道の祭壇の大きな特徴です。これは神道の祭壇における最も重要な装飾と言えます。その他、お供え物や遺影など、葬儀に必要なアイテムは仏教の葬儀と同様に飾られます。
キリスト教祭壇の特徴
キリスト教式の葬儀では、教会に既に設置されている祭壇を利用します。このため、遺族が別途祭壇を用意する必要はありません。祭壇の中心部の最も高い位置には十字架が設置され、その周囲には生花が飾られます。また、祭壇の両サイドにろうそくを灯すのも、キリスト教式祭壇の典型的な特徴です。ただし、キリスト教内にはカトリックとプロテスタントなどの宗派があり、それぞれの宗派によって葬儀の形式に違いがあることに留意が必要です。不確かな場合は、教会に相談するのが最善です。
後飾り祭壇
葬儀後の自宅に設置される後飾り祭壇は、故人との繋がりを感じることができる大切な場所です。遺骨を安置し、家族や親しい友人が故人を偲ぶための空間として機能します。
祭壇の費用
葬儀に関する悩みの一つが”料金の内訳がよく分からないこと”ですよね。実は祭壇は3つの費用に分けることができ、祭壇の費用は葬儀の規模やデザインや葬儀の規模によって変わります。ここでは祭壇費用について見ていきましょう。
日本全国での平均費用
祭壇の平均費用は、通常30万円から100万円程度で、この中には祭壇のレンタル料、生花やろうそくなどの装飾費、設置と撤去に関わる人件費、輸送費などが含まれます。
祭壇のレンタル費
20万円~80万円
人件費・輸送費
お住まいの地域による
祭壇の装飾費
数万円~数十万円
総額の平均は30万円~100万円
一般葬の祭壇費用
一般葬の場合、祭壇の費用は30万円から80万円程度が目安です。この金額には、祭壇のレンタル料、装飾、人件費などが含まれます。
家族葬の祭壇費用
家族葬での祭壇設置にかかる費用は、20万円から50万円程度が一般的です。参列者が少ないため、規模が小さく、装飾も控えめな祭壇が多いことが理由です。
大規模な葬儀の祭壇費用
大規模な葬儀では、祭壇の費用が100万円以上になることもあります。祭壇の大きさや装飾の豪華さが増すと、それに伴い費用も上昇します。
祭壇選びのポイント
祭壇を選ぶ際には葬儀の規模を考慮することが重要です。また、故人の人生や性格を反映させることで、より心に残る葬儀にすることができます。ここでは祭壇選びのポイントを紹介します。
葬儀の規模に合わせる
葬儀の規模に合わせて祭壇を選ぶことが大切です。大規模な葬儀には目立つ大きな祭壇が適しており、家族葬など小規模なものでは、シンプルかつ小さめの祭壇がおすすめです。
故人の個性と祭壇のデザイン
故人の個性や好みを反映した祭壇のデザインは、葬儀をより思い出深いものにします。故人の趣味や生き様を表現するためのアイテムや色使いを考慮して選びましょう。
祭壇にお供えできるもの
祭壇には宗教や文化に応じて異なるお供え物が用意されます。仏教では五供物が基本で、神道では神饌を供えます。キリスト教の葬儀では、特に定められたお供え物はなく、故人を象徴する花が多く用いられます。
仏教のお供え物
仏教では、五供(花、灯明、水、飲食、香)を祭壇に供えます。これらは故人への敬意を示し、仏教の伝統に従った供養を表します。
神道のお供え物
神道では、神饌(しんせん)として食べ物やお酒、塩などを供えます。これらは神道の祭祀における重要な要素で、故人と神々への敬意を表します。
キリスト教のお供え物
キリスト教の葬儀では、特に定められたお供え物はありませんが、白い花や十字架が一般的に使用されます。これらは故人の信仰心を象徴し、祭壇を飾るために用いられます。
祭壇の費用を抑えるには
葬儀での祭壇の費用は、全体の予算の中でかなりの割合を占める場合がありますが、よく考えて選び、計画を立てれば費用を抑えることは可能です。ここでは祭壇の費用を抑えるコツをお伝えしていきます。
シンプルなデザインにする
祭壇のデザインをシンプルにすることは、コスト削減の一つの方法です。複雑な装飾や大規模な構造よりも、シンプルで洗練されたデザインを選ぶことで、費用を抑えることができます。
生花の使用を最小限にする
生花は祭壇の費用を大きく左右する要素の一つです。必要最小限の花を使用するか、または生花の代わりに造花を選ぶことで、コストを抑えることができます。
市民葬・区民葬を使う
市民葬や区民葬は、市や区などの自治体が葬儀社と連携して提供する葬儀サービスで、直接葬儀社に依頼するよりも低価格です。このサービスを利用すると、コストを抑えられますが、利用できるのはその自治体の住民に限られます。
まとめ
葬儀の祭壇選びは初めての方にとっては難しく、不安を感じることもあるでしょう。しかし、これらの基本的な知識を理解し、適切な計画を立てることで、故人に相応しい祭壇を用意することができます。
監修者
株式会社ルピナス 金子雄哉
全国の葬儀社を対象にしたコンサルティング及びマーケティング支援を行う、株式会社ルピナスの金子雄哉です。葬儀業界のデジタル化を推進し、より多くの人々が葬儀サービスを理解し、アクセスしやすくするための戦略を日々研究・提案しています。葬儀社の経営者様だけでなく、ご遺族様にとっても最良の葬儀が行えるよう、マーケティングの観点からサポートしております。