葬儀の種類はたくさんある!? 宗教・宗派別の葬儀について解説

葬式は通常、故人や遺族の信仰する宗教や宗派に応じて行われることが一般的です。しかし、日本ではほとんどの葬式が仏教式で執り行われるため、仏教以外の葬式について疑問を抱く人が多いかもしれません。同じ宗教であっても、宗派によってさまざまな儀式や作法が異なるため、葬式を執り行う側と参列する側の双方にとって、宗派の確認が重要です。

この記事では、仏教を含む代表的な4つの宗教とそれに関連する宗派について、葬式の特徴、進行、マナーなどを説明します。また、宗教や宗派が分からない場合の調査方法も紹介します。

目次

仏教の葬儀スタイル

日本の仏教には多くの宗派が存在し、それぞれに独特の葬儀スタイルがあります。たとえば、浄土真宗では遺体とともにお念仏を唱えることが中心となり、臨終の際には僧侶による読経が行われます。曹洞宗や臨済宗などの禅宗では、禅的な簡素さと静寂を重んじた葬儀が行われます。これらの葬儀は、故人の魂の安息と再生を願うもので、様々な儀式を通じて故人を偲びます。

仏教の主な宗派とは

仏教は多くの宗派から成り立っており、各宗派は異なる教義や信仰体系を持っています。代表的な仏教宗派としては、浄土宗、曹洞宗、日蓮宗などが挙げられます。それぞれの宗派によって、葬儀のスタイルや儀式が異なります。

仏教宗派による葬式マナーの違い

仏教宗派ごとに、葬式の進行や儀式、服装などに違いがあります。

宗教・宗派特徴
浄土宗浄土宗の葬儀は、「南無阿弥陀仏」という念仏を唱え、その力を借りて故人が極楽浄土に生まれ変わるという信仰に基づいて行われます。浄土宗の葬儀に特徴的なのは、「念仏一会」と呼ばれる儀式で、僧侶と参列者が共に念仏を唱え、故人と阿弥陀仏との結びつきを強化します。
浄土真宗浄土真宗における葬儀は、他の宗派とは異なるアプローチを取っています。浄土真宗では、死者への供養を主要な目的とせず、「即成仏」の信念に基づいてお葬式が執り行われます。この信念に従い、特定の儀式や習慣が存在します。
死者への供養に関して、浄土真宗では死に装束や清めの塩を使用せず、むしろ「お見送り」が行われます。また、弔電や弔辞で「お祈り」や「冥福を祈る」「草葉の陰」といった表現は避けられ、代わりに他の宗派とは異なるスタイルでお別れが行われます。
日蓮宗日蓮宗では、葬儀は「最後の修行の機会」と捉えられています。この宗派では、「死者を霊山浄土に導く」ことが本義であり、葬儀はその目的を達成するための重要な儀式です。
天台宗天台宗の葬儀は、日本の葬儀の原点と言われ、儀式が「顕教」と「密教」の二つの部分に分かれます。これらの儀礼を通じて、故人と家族・縁者が一体となり、共に仏道を成就することを目指します。
禅宗(臨済宗/曹洞宗)禅宗の葬儀は、故人に戎を授け、正式な仏弟子として仏教の世界に引導を渡す儀式で構成されています。臨済宗と曹洞宗では、儀式の細部に若干の違いがありますが、基本的なアプローチは共通しています。
真言宗真言宗は弘法大師空海によって開かれ、葬儀を「大日如来に帰っていくための儀式」として捉えています。葬儀を通じて、「即身成仏」を目指し、死者に印と真言を授けることで、仏と一体になると信じられています。

仏教式の葬式の特徴

回向文の読み上げ

故人の冥福を祈るために、特定の経典から選ばれた回向文が読み上げられます。この際、宗派によって異なる経典が用いられます。この文は、特定の経典から選ばれ、故人の魂を慰め、来世への安楽を祈願する内容です。

宗派によって使用される経典が異なり、例えば浄土宗では「阿弥陀経」が、曹洞宗では「般若心経」が読まれることが一般的です。

お経の唱え方

葬儀中にお経が唱えられ、故人の供養が行われます。宗派によって、お経の内容や唱え方が異なります。これは故人の魂の安息を祈り、業を浄化するためのものです。

宗派によってお経の内容や調子、リズムが異なります。例えば、天台宗では特有の旋律で経文が唱えられる一方で、禅宗ではよりシンプルな調子で唱えられます。

供養物の用意

仏教の葬儀では、お香や花、食事などの供養物が用意され、故人への感謝や冥福を祈る意味で捧げられます。仏教式の葬儀では、お香、花、食事などの供養物が用意されます。これらは故人への感謝の意を表し、冥福を祈るために捧げられます。

供物の種類や配置も宗派や地域によって異なります。例えば、食事の内容や香の種類が宗派によって変わることがあります。

納骨

一般的に、故人の遺骨は骨壷に納められ、寺院の墓地や仏壇に安置されます。この過程も宗派によって異なります。納骨の方法や儀式も宗派によって異なり、例えば墓地への埋葬の方法や骨壷の形状に宗派特有の違いが見られます。

神道の葬式(神葬祭)の特徴

日本固有の宗教である神道では、葬儀は「神葬祭」と呼ばれ、神道式の祭祀を行います。神道の葬儀は、自然への帰還と祖霊への敬意を表す儀式です。神道の葬儀では、清めの儀式や、神職による祝詞の奏上が行われます。また、故人の霊を神霊として祀るための儀式が特徴的です。

神道の葬儀は、日本の伝統と風土に根ざしており、自然との調和を大切にします。葬儀は家族や親しい人々が集い、故人を偲び、祖霊への感謝の念を込めて行います。神道の葬儀は、神職による神秘的な儀式と自然への感謝が結びついた美しい儀式です。

神道の葬儀特徴
神社での執り行い神道の葬式は、通常、神社で行われます。これは、神道の信仰の中心が自然や神々にあるという考えに基づくもので、神社が神々を祀る場所であり、故人を神仏と一体化させる場として利用されます。
神職の主催神道の葬式は神職が主催し、儀式を執り行います。神職は神社に所属し、神道の教えと儀式に詳しい専門家であり、葬式の進行を指導します。神職は故人とその家族に対するサポートを提供し、魂の安らぎを確保します。
鎮魂の儀式神道の葬式では、故人の魂を鎮めるためにさまざまな儀式が行われます。これには神職による祈祷や祓い(はらい)などが含まれます。故人の魂を神仏に送り、安らかな世界へ導くことが目的です。
神仏の祭祀神道の葬式において、神社に祀られている神仏が重要な役割を果たします。神職と参列者は神社内で神仏への祭祀を行い、故人の魂を神仏と一体化させ、神聖な存在として尊重します。

キリスト教の葬儀スタイル

キリスト教の葬式には特徴があります。通常、教会で行われ、神父または牧師が主催します。聖歌や讃美歌が歌われ、参列者は献花を行います。香典は「御花料」と呼ばれます。また、キリスト教では死を神の祝福と捉えるため、お悔やみの言葉は避け、遺族には「安らかな眠りをお祈りいたします」「ご遺族の上に、主のお慰めがありますように」といった言葉を使うのがマナーです。

その他の宗教の葬儀スタイル

無宗教葬は、伝統的な宗教的儀式に従わない自由形式の葬儀を意味します。この種の葬儀は、特定の宗教的信念を持たない人々や、特定の寺院との関連がない人々に人気があります。彼らは宗教的指導者を招かずに、個人的な方法で故人を送り出すことを選ぶことが多いです。

無宗教葬の主な特徴は以下の通りです:

  • 宗教的指導者は参加しない
  • 柔軟な形式で、特定の規則に縛られずに進行する
  • 通常、読経や祈りの代わりに黙祷を捧げることが多い。また、故人の好きだった音楽を演奏するなど、個人化された要素を取り入れる

無宗教葬は最近人気が高まっていますが、伝統的な規則がないため、特に年配の人々からの理解を得にくい場合があります。無宗教葬を希望する場合は、事前に家族間でよく話し合うことが大切です。

また、菩提寺がある場合、無宗教葬を行うことで将来的に問題が生じる可能性があるため、事前に寺院の同意を得ることも重要です。

まとめ

日本における葬儀は、異なる宗教や宗派に応じて多様なスタイルで執り行われています。主要な宗教として仏教、神道、キリスト教などがあり、それぞれに独自の儀式や信仰が存在します。

各宗教や宗派には独自の信念とマナーがあり、葬儀を計画する際には故人の信仰や遺族の希望を尊重し、宗教指導者や信者からのアドバイスを受けることが大切です。葬儀は故人の冥福を祈る重要な儀式であり、宗教や宗派による違いを理解し、敬意をもって執り行うことが求められるでしょう。

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