
病院から自宅や斎場へ遺体を移す場面で、霊柩車と寝台車の違いに戸惑う方へ。本稿ではまず「いつ・どこへ」を結論化し、川越市での手配方法と費用の目安、当日の手続き、業者選びのポイントまで実務的に整理します。電話で伝える最低限の情報や緊急テンプレ、チェックリストを用意し、慌ただしい状況でも冷静に判断して手配を進められるよう支援します。実例や注意点も図表でわかりやすく示しています。

この記事を書いた人
立ち華葬祭 COO 高橋 哲彦
葬儀業界歴20年。その中で対応した葬儀の施行件数は3000件以上。
現在は川越市の葬儀社「立ち華葬祭」でCOO(最高執行責任者)として、お客様の理想の葬儀をお手伝いしております。そしてその専門知識や経験をもとに、川越市を中心とした方々に葬儀の役立つ情報をご提供しています。
違いの結論:まずは「いつ・どこへ」を伝える
最初に押さえるべき結論は単純です。病院や施設から安置先へ搬送する「納棺前」の移動には寝台車を使い、棺に納めた後の式場や火葬場への移動には霊柩車を使います。連絡時に「搬送元・搬送先・納棺の有無」を伝えれば、業者は適切な車両と装備を手配できます。
この区分を明確にすることで、搬送手順の混乱や不要な追加費用を避けられます。初動での伝達が不十分だと当日の待ち時間や追加手配が発生しやすいため、業者に伝える情報は事前に整理しておきましょう。
項目 | 寝台車(搬送用) | 霊柩車(出棺用) |
---|---|---|
主用途 | 病院→自宅・安置所(納棺前) | 式場・自宅→火葬場(納棺後) |
装備 | ストレッチャー・担架・固定具・保冷対応 | 棺固定レール・柩室・儀礼的外観 |
利用タイミングの具体例(納棺前/納棺後)
時間軸で判断すると迷いが減ります。亡くなってすぐ病院から自宅や斎場安置室へ移す場面では寝台車が適しています。納棺が済んだ後、通夜や告別式で柩を運ぶ場面や火葬場への最終移動には霊柩車が用いられます。用途を誤ると搬送手順や費用が変わるため注意してください。
実務的には、業者へ連絡する際に「納棺の予定時間」を合わせて伝えると、搬入の時間調整や必要な人員数の確保がスムーズになります。短時間での移動や同日中の複数搬送がある場合は、事前に回数と時間を確認しておきましょう。
- 寝台車を指定する場合:病院名・病室・搬送先住所・到着希望時刻を伝える。
- 霊柩車を指定する場合:納棺の完了予定時刻と式場から火葬場までのルートを伝える。
- 迷ったら:「納棺の有無」をまず明示すると業者が判断しやすくなる。
車両仕様と外観の特徴
車両は見た目が似ている場合があるため、外観だけで判断しないことが大切です。霊柩車は宮型・洋型・リムジン改造など儀礼性を重視するタイプがあり、寝台車は担架や搬入しやすい低床バンが主流で目立たない仕様が多い点が特徴です。固定方法や保冷対応の有無も確認しましょう。
写真や車種名で確認できる場合は、配車担当に伝えると誤配車を防げます。なお保冷対応やストレッチャー固定の仕様は搬送中の衛生管理に直結するため、特に病院搬送では重要な確認項目です。
タイプ | 特徴 | 向く場面 |
---|---|---|
宮型霊柩車 | 和風装飾・格式重視 | 伝統的な葬儀・宗教儀礼 |
洋型(リムジン) | 外観が格式的で見栄え重視 | 式場搬送・出棺時 |
寝台車(バン型) | ストレッチャー・保冷・低床で実務重視 | 病院から安置先への搬送 |
川越市での料金目安と見積りで確認すべき内訳
費用は業者や条件で大きく変わりますが、市の協定プランでは基本や付帯の上限が示されているため目安になります。見積り依頼では総額だけでなく、寝台車代・霊柩車代、距離加算、深夜早朝割増、安置料、ドライアイス代、人件費が明記されているか確認してください。書面での内訳提示を求めるのが基本です。
実例としては、病院→自宅20km未満で寝台車が約22,000円、式場込みの基本プランが約198,000円以内という目安が示されることがありますが、含まれる項目は業者ごとに異なります。見積りの際は「何が含まれて何が別料金か」を具体的に質問しましょう。
項目 | 目安(例) | 確認ポイント |
---|---|---|
基本料金(式場込み) | 約198,000円以内(プラン例) | 何が含まれるか明記を確認 |
付帯料金 | 約93,000円程度の上限例 | 棺や遺影などの有無を確認 |
寝台車の目安 | 病院→自宅20km未満で約22,000円の例 | 距離と回数で増減する点を確認 |
夜間・遠方搬送の注意点
深夜や早朝、県境を越える搬送は追加費用が発生しやすく、業者ごとに割増基準が異なります。見積り時に「時間帯ごとの追加料金」「高速料金や駐車代の扱い」「往復の回送費」を明記してもらい、領収書や内訳提示を求めると後のトラブルを防げます。病院側の搬出制約も事前確認が必要です。
特に深夜搬送では待機時間や担当者の交代料金が発生する場合があるため、到着見込みと実際の搬出時刻をこまめに共有することが重要です。遠方搬送では高速利用の可否や休憩ルートも確認しておくと費用と所要時間の見通しが明確になります。
搬送前の手続きと当日の流れ(病院→安置→式場)
手続きは「書類準備」「搬出時間調整」「車両選定」を同時に進めると混乱が少ないです。病院での死亡診断書受領、市役所での火葬許可申請、斎場の受入確認を並行して行い、葬儀社に代行を依頼することも可能です。搬入経路や面会の可否、ドライアイスの扱いなど衛生とプライバシー配慮も当日確認しましょう。
搬出当日は病院側の搬出ルール(エレベーター使用や搬出時間帯)を遵守し、搬送経路はできる限り目立たない通路を選ぶと遺族の負担を軽減できます。必要書類に不備があると搬送後に手続きが滞るため、事前のチェックリストを活用してください。
- 搬送前に確認する書類:死亡診断書、火葬許可申請に必要な情報を準備する。
- 搬出時間の調整:病院の搬出可能時間と斎場受入時刻を合わせる。
- 衛生配慮(補足):
- ドライアイスの使用日数と撤去方法を確認する。
- 搬出ルートは最短かつ目立たない経路を選ぶ。
葬儀社の選び方と緊急連絡テンプレート
業者選定は「到着目安の明示」「見積りの書面化」「斎場連携実績」「対応の丁寧さ」「口コミの総合評価」を基準にすると実務的です。緊急時は落ち着いて必要情報を伝えるだけで手配が進みます。以下の簡単な電話テンプレを使って、相手に正確な指示を出せます。
また、業者の事業許可(緑ナンバー等)や保険加入の有無、斎場との連携実績を確認すると万一のトラブル時に対応が早く安心です。到着時刻と担当者名を必ず控え、連絡先を家族間で共有しておきましょう。
- 電話テンプレ:「突然で申し訳ありません。川越市の(病院名)から(自宅/斎場)へ搬送をお願いしたいのですが、今すぐ対応可能ですか。到着目安と基本料金、深夜割増の有無を教えてください。担当連絡先は○○です。」
- 現地確認項目:到着時刻・担当者名・車種(寝台車/霊柩車)・見積りの合計と追加条件。
- 業者チェックの要点:書面見積り、緑ナンバー等の事業許可の有無、斎場実績を確認する。
よくある質問
寝台車と霊柩車の違いは?
寝台車は納棺前の搬送用で、担架や保冷が中心。霊柩車は納棺後の出棺用で棺固定や儀礼的装飾が特徴です。具体的には、寝台車はストレッチャーでの搬送を前提にしており、病院や施設から搬送する際の機能性を重視します。一方、霊柩車は柩を固定するレールや柩室を備え、式典での見栄えや儀礼的な演出を重視する造りです。
費用はどのように変わる?
距離加算、深夜早朝割増、安置料、ドライアイス代や人件費で変動します。見積りで内訳と書面提示を必ず確認してください。例えば短距離の病院搬送は寝台車のみの料金で済むことが多いですが、式場での出棺や遠方搬送が加わると合算で費用が増えます。追加料金の事例を事前に聞いておくと安心です。
夜間搬送の注意点は?
深夜や県境搬送は割増が発生しやすく、病院の搬出制約や高速料金、往復の回送費の扱いを事前に確認してください。夜間は担当者の人数や安全配慮のため追加料金が設定されていることが多く、搬送ルートや駐車場の確保が必要な場合もあります。見積り時に時間帯別の料金や領収書発行の可否を確認しましょう。
まとめ
寝台車は納棺前に病院から自宅や安置所へ搬送する実務用、霊柩車は納棺後の式場や火葬場への出棺用です。川越市では見積りで寝台車・霊柩車の区分、距離加算、深夜割増、安置料、ドライアイス等の内訳を確認し、書面提示と事業許可番号で業者を選び、搬出時間と斎場受入を調整してください。