この記事を書いた人
立ち華葬祭 COO 高橋 哲彦
葬儀業界歴20年。その中で対応した葬儀の施行件数は3000件以上。
現在は川越市の葬儀社「立ち華葬祭」でCOO(最高執行責任者)として、お客様の理想の葬儀をお手伝いしております。そしてその専門知識や経験をもとに、川越市を中心とした方々に葬儀の役立つ情報をご提供しています。
墓参りとは
お墓参りは、故人を偲び、先祖を敬う日本の伝統的な習慣で、家族や親族が一同に集まり、先祖の墓を訪れて敬意を表し、故人の霊に対して感謝や尊敬の気持ちを伝えるタイミングになります。この記事ではお墓参りをする時期や基本的な流れとマナー等について詳しく説明します。
お墓参りをする時期
お墓参りで最も大切なのは故人を偲ぶことです。ですので、結論から言うとお墓参りはいつ行っても問題はありません。
しかし、一般的にお墓参りに適していると言われる時期はいくつか存在するので紹介していきます。
一般的な時期
お盆
お盆はご先祖様の霊が家族のもとへ帰ってくるとされる期間なので、多くの家族が故人を偲びお墓参りへ行きます。
具体的な日程は、7月盆であれば7月13日~7月16日、8月盆であれば8月13日~8月16日に行われます。地域によって異なることがあり、旧暦を使用する地域では8月15日前後に集中します。お盆に家族で時間をとりお墓参りをすることは、ご先祖様への感謝と尊敬の気持ちを表すだけでなく子供が無意識に大切なことだという認識ができることから足を運ぶ人が多い日となっています。
お彼岸
彼岸の入りから彼岸の中日を含む7日間で、先祖の墓を訪れます。
お彼岸は年2回あり春の彼岸は3月、秋の彼岸は9月の春分の日と秋分の日を中日とした一週間に行われます。この時期は伝統的に家族や親族がお墓を訪れ、先祖の霊を慰めるとともに、自然の恵みに感謝する日となっています。また、定説では彼岸にはご先祖様、此岸には私たちが住んでいるとされており、春分の日と秋分の日は、太陽が真東から登り、真西に沈むことからあの世との距離が一番近くなる時期と言われており、極楽浄土へ近づけると信じられています。そういった意味合いからお墓参りに最適な時期とされています。
地域の習慣
お墓参りに関する地域の習慣は、日本全国で多様な形があります。これらの習慣は、その地域の文化や歴史、気候に根ざしたもので、各地の特色を反映しています。
東日本
東日本の多くの地域では、一般に7月にお盆が行われることが多く、それに伴ってお墓参りに行く人が多くなっています。
7月盆は新暦(グレゴリオ暦)に基づいて7月13日から16日までの4日間を中心に行われます。ただし、地域によってはこの期間が前後することもあります。
西日本
8月盆もまた、家族が集まり故人を偲ぶ重要な時期です。西日本の一部で行われており、旧暦(太陰暦)に基づいて8月13日から16日までの4日間を中心に行われます。
沖縄
沖縄では正月が年に3回あり、1つ目は、1月1日。2つ目は、旧暦の正月。そして3つ目は、あの世の正月(旧暦の1月16日)通称ジュールクニチー(十六日祭)とされています。1月1~~15日までは神様がいる神聖な時期と言われており、不浄を避けてその間には墓参りをせず、16日になって初めて墓参りをすることが習慣となっています。
個人的な訪問
故人様の命日
故人様の命日も、お墓参りに訪れる人が多い日となっています。
亡くなった日である月命日と亡くなった年月日である祥月命日があり、月命日に月1回訪れる方もいますが特に、祥月命日年は年に1回なので、親族全員で行こうと当日だけでなくその前後を選ぶ方も多いです。
帰省時
年末年始やゴールデンウイーク・夏休みや春休みといった長期休みも家族で集まりやすい時期であるため、お墓参りに訪れる方が多いタイミングとなります。
お墓参りの流れ
お墓参りを行うにあたり、流れを理解しておくことは重要です。準備をしっかりと行うことでスムーズにお墓参りを進めることができます。ここからは、お墓参りに必要な持ち物やお参りの方法について説明していきます。
お墓参りに持っていくもの
お墓参りは故人様に手を合わせるだけでなく、お掃除やお供えをするのが一般的です。
お墓参りに持って行くべきものは、お墓を掃除するための掃除用具、お参りの際に使用するお参り用品、お供え物の3に分けることができます。それぞれに種類があり、お花は一般的に供えるものが決まっているので説明していきます。
掃除用具
箒や塵取り
歯ブラシ
軍手
ゴミ袋
枯れ葉などを掃ける箒や塵取りと集めたごみを回収する袋があると良いでしょう。その他にも墓石の彫刻部分を掃除するための歯ブラシや、草むしりの際に使用する軍手があると掃除がしやすいです。
お参り用品
ひしゃくと手桶
数珠
ライター
はさみ
最近では自分のものを持っている人は少ないですが、ひしゃくと手おけなどは持っていきましょう。施設によっては貸出している場合もありますので、事前に確認しておく安心してお参りができます。他にも手を合わせる際に使う数珠や線香に火をつけるためのライター・お花を切り揃えるためのはさみなどがあると良いでしょう。
お供え物
線香
供花
ろうそく
食べ物・飲み物
手を合わせる前にあげる線香や火をつけるためのろうそく、供菓子の落雁や故人様が生前好きだった食べ物・飲み物などを持っていくとよいでしょう。供花については、菊が最も一般的ですが、他にも百合やカサブランカ・蓮・アイリスやラベンダーなど様々な種類があります。決まりがあるわけではないので故人様が好きだった花や、花言葉で選んでみてもよいと思います。※お花の取り扱いについては花屋さんに聞いてみましょう。
お墓参りの順番
共通のルールはありませんが、地域や家族間の風習によって順番があります。お先祖様のお墓の場合、年長者への尊敬と家族の伝統への敬意を示すために、まずは揃って合掌し、その後年長者から順にお参りすることが多いです。友人や夫婦などのお墓参りの場合には、故人との関係が近い人から順にお参りすることが多くなっています。
お墓参りの作法
お墓参りには厳密なルールは少ないですが、故人が好きだった花やお供え物を用意したり、手を合わせ、感謝の気持ちを表現するといった一般的な手順があります。
ここから4つのステップに分けてお墓参りの作法をわかりやすく解説していきますので一緒に確認しましょう。
1.挨拶をする
- お参りするのが寺院の墓地であれば、到着した際にまず本堂をお参りし、住職さんにご挨拶をします。その他の場合は、墓地に到着した際にまず墓石に手を合わせて「会いに来たよ」ということを知らせる挨拶をします。
2.お墓の掃除をする
- 挨拶をしたら次にお墓を掃除をしましょう。落ち葉や雑草を取り除き、墓石の汚れは柄杓で水をかけて流すか、水をかけた後に布で拭で吹き上げます。文字などの掃除が難しい箇所は歯ブラシを使うと良いでしょう。
3.お花やお供えものを置く
- お墓の中央付近にくぼみがある場合は、綺麗な水をお供えしましょう。(仏教の教えでは水が食べ物となるため)次に、故人様の好きだった花やお供えもの(食べ物や飲み物)を用意して手向けましょう。その際、お花は茎が長い状態なので花瓶に合わせて切り、左右で対象になるようにお供えします。
- 袋に入っていない食べ物をお供えする場合は、直接置かずに半紙の上にお供えしましょう。
4.お線香をあげる
- お線香は1人1~3本を基本とし、ライターで火をつけてから炉皿にお供えします。お線香の火を消す際は、手であおいで消しましょう。
- 続いて、全員で合掌・礼をしてから、改めて一人ずつ墓前で手を合わせます。その際、心の中で故人様へ近況の報告や感謝の気持ちを伝えましょう。
お墓参りのマナー
ここまではお墓の清掃に必要な道具やお供え物の扱い方、お線香やろうそくの点け方、そしてお墓での振る舞いなどについのマナーを解説してきましたが、ここでは前段階である服装や一般的な公共の礼儀といった部分を解説していきます。
お墓参りをしない方が良い日
お墓参りに絶対に行ってはいけない日はありませんが、避けた方が良い日はあります。カレンダーに【仏滅】と書かれている日は、何をしても凶という意味を表しているため避けた方が良いと考えられています。他にも、友が故人様に引かれてしまうという意味を表す【友引】の日や、「二重に苦しむ」という意味がある29日は避けた方が良い日と考えられています。
お墓参りの時の服装
葬儀などとは違い服装に決まりはありません。しかし、郊外の場合は蚊に刺されの心配があるため手足の露出が少ない服装が良いでしょう。また、お墓の掃除があるため、動きやすく汚れても良い服とスニーカーを推奨します。
お墓参りでやってはいけないこと
お墓参りは基本的に自由に行ってよいものですが、大きな声で話したり、ごみを残して帰ったりなど人の迷惑になる行為は避けましょう。また、地域や各家庭でルールが異なる場合もあるので実際にお墓参りをされる際には、事前に確認しておきましょう。
まとめ
今回はお墓参りに行くのにぴったりな時期や持ち物・作法など一般的に基本とされていることをまとめました。こういったマナーは当然大切なものではありますが、一番大切なのは故人様を思い出して会いに行くことです。本記事を参考にお墓参りに関する不安を払拭してあなたなりの心のこもったお墓参りを続けてください。
監修者
株式会社ルピナス 金子雄哉
全国の葬儀社を対象にしたコンサルティング及びマーケティング支援を行う、株式会社ルピナスの金子雄哉です。葬儀業界のデジタル化を推進し、より多くの人々が葬儀サービスを理解し、アクセスしやすくするための戦略を日々研究・提案しています。葬儀社の経営者様だけでなく、ご遺族様にとっても最良の葬儀が行えるよう、マーケティングの観点からサポートしております。