「敬意と心遣いを表す葬儀の装いとマナー」 – 葬儀は、故人を偲び、遺族に対する最大限の敬意を表す場です。この記事では、葬儀における適切な服装と、参列時の振る舞いについて解説します。どのようなスーツやワンピースを選ぶべきか、香典の渡し方は? これらの疑問に答え、故人とその家族に敬意を表す方法をご紹介します。
この記事を書いた人
立ち華葬祭 COO 高橋 哲彦
葬儀業界歴20年。その中で対応した葬儀の施行件数は3000件以上。
現在は川越市の葬儀社「立ち華葬祭」でCOO(最高執行責任者)として、お客様の理想の葬儀をお手伝いしております。そしてその専門知識や経験をもとに、川越市を中心とした方々に葬儀の役立つ情報をご提供しています。
服装マナー
葬儀においては、服装が哀悼の意を表す重要な手段の一つです。男性は控えめなスーツに黒のネクタイと靴を、女性は同様に地味なスーツやワンピースに黒の靴を選びましょう。女性はパールのネックレスやブローチなど、控えめなアクセサリーを選ぶことも受け入れられていますが、基本的にはアクセサリーは最小限に留めるべきです。
お通夜に喪服を着用することは、場合によっては故人の不幸を予期していたかのような印象を与えかねないため、地味な服装が推奨されることがあります。ただし、喪服を着用することが適切とされる場合もあり、その判断は参列者の増加傾向や文化的背景に左右されます。
服装に関する固定のルールは特になく、地域差も考慮しつつ、何よりも遺族の感情を尊重し、自身の哀悼の気持ちを表現する方法を選ぶことが肝心です。状況や場に応じた適切な装いを選ぶ心遣いが求められます。
男性の喪服(洋装)
- スーツ: 黒、形式(ダブルまたはシングル)は不問。異なる上下は避けます。
- ネクタイ: 黒、タイピン不使用。
- ワイシャツ: 白、長袖。
- 靴下: 黒。
- 靴: 黒、光沢のないシンプルなデザイン。
女性の喪服(洋装)
- アクセサリー: 基本的には装着しない。選択する場合は、真珠など限定的に。
- 髪型: シンプルに低くまとめる。
- スーツ・ワンピース: 黒や濃紺の無地。
- ハンカチ: 白無地またはフォーマル用の黒。
- バッグ: 黒、光沢のない布製でシンプルなデザイン。
- ストッキング: 黒。
- 靴: 黒または地味な色、適切なヒール高さでフォーマル。
子供の喪服
- 正式礼装: 学校の制服(存在する場合)。
- 一般服装: 黒、紺、グレーなどの地味な色。
- シャツ・ブラウス: 白。
- 靴下・ハンカチ: 黒または白。
- 靴: 黒を推奨。
小物・メイクについて
葬儀に参加する女性は、バッグやアクセサリーを含む小物を基本的に黒色で統一することが望ましいです。バッグは光沢を抑えた布製が適しており、ワニ革やその他爬虫類の素材は使用を避けましょう。ネックレスはパールが選ばれることが多く、オニキスや黒曜石以外の宝石は避けるのがマナーとされています。結婚指輪を除く指輪の着用は控えることが推奨されます。靴は男女問わず、光沢のない黒を選ぶべきです。傘を携帯する場合は、控えめな色やデザインが適切です。
派手な服でなければ、喪服でなくても構わない
服装選びの際、最優先すべきは「故人への哀悼の気持ち」です。遺族でない場合、通夜や告別式には控えめな一般服で参加しても問題ありません。お通夜では、特に喪服でなくとも、控えめな装いであれば適切とされます。本来、喪服は遺族や近親者が喪に服す意を示すためのものであり、喪章も同様に遺族が着用するものです。従って、一般参列者は喪服を持っていればそれを着用することが望ましいですが、なければ地味な一般服での参列も許されます。
女性はストッキングにも注意
葬儀における女性のストッキングは、黒色で無地の薄手を選ぶことがマナーです。30デニール以下のものが理想的で、肌が僅かに透ける透明感が上品な印象を与えます。ただし、冬場や寒冷地では60デニール程度でも許容されます。故人への敬意を表しつつ、寒さ対策にも配慮した選択が求められます。
葬儀・通夜にタートルネックの着用について
葬儀における服装は、故人と遺族に対する敬意の表現に他なりません。タートルネックは、伝統的な喪服の概念には当てはまらず、基本的には避けるべきです。特に、厳粛な告別式や通夜では、従来のフォーマルな喪服を尊重することが重要とされ、タートルネックはカジュアルすぎると見なされる傾向にあります。地域や個々の家庭の風習によって異なる場合もありますが、一般的には、より伝統的な喪服を選ぶことが推奨されます。故人への最大限の敬意を示すため、適切な服装選びに留意しましょう。
葬儀時の振る舞い
葬儀における服装は大変重要ですが、それだけでなく、葬儀時の振る舞いにも注意を払う必要があります。故人への敬意を示すため、静かな態度を保ち、適切な挨拶を心がけましょう。また、遺族の感情を尊重し、配慮深く行動することが大切です。このセクションでは、葬儀の際の振る舞いをリストにしました。
一般的なマナー
- 挨拶: 故人の家族に対して、哀悼の意を表する際は、簡潔かつ丁寧に。
- 香典: 封筒には故人との関係を記入し、折り目を外側にして渡します。
- セレモニー: 式中は静かに行動し、式の流れに従いましょう。
会話の注意点
- 故人の話題: 故人の良い思い出や逸話を話すことは慰めになりますが、不適切な話題は避けましょう。
- 周囲への配慮: 周囲の参列者の気持ちを考え、大声での会話や笑い声は控えます。
その他の配慮
- 携帯電話: 式中はマナーモードに設定し、できれば使用は避けてください。
- 写真撮影: 一般的には不適切とされます。事前に許可を得るか、控えるようにしましょう。
まとめ
葬儀に参列する際、故人への敬意と遺族への配慮が最も重要です。男性は黒または濃紺のスーツを、女性は濃色のスーツまたはワンピースを選び、全体的に控えめな装いを心がけるべきです。挨拶は簡潔かつ丁寧に行い、香典は適切な形で渡しましょう。セレモニー中は静かに振る舞い、式の流れに従うことが求められます。
また、故人の良い思い出を語ることは慰めになる一方で、不適切な話題は避け、周囲の参列者の気持ちを尊重することが大切です。携帯電話はマナーモードに設定し、使用は控えるようにし、写真撮影は一般的に不適切とされるため、事前に許可を得るか控えるべきです。このようにして、故人を偲び、遺族を慰める場としての葬儀にふさわしい服装と振る舞いで、故人への敬意と遺族への心遣いを表現しましょう。
監修者
株式会社ルピナス 金子雄哉
全国の葬儀社を対象にしたコンサルティング及びマーケティング支援を行う、株式会社ルピナスの金子雄哉です。葬儀業界のデジタル化を推進し、より多くの人々が葬儀サービスを理解し、アクセスしやすくするための戦略を日々研究・提案しています。葬儀社の経営者様だけでなく、ご遺族様にとっても最良の葬儀が行えるよう、マーケティングの観点からサポートしております。