多くの人々にとって、お墓は故人を偲ぶ大切な場所です。しかし、その種類や特性を詳しく知る機会は意外と少ないかもしれません。本記事では、さまざまなお墓の形態を紹介し、それぞれのメリットやデメリット、選択に際してのポイントを解説します。それぞれが持つ独自のメリットとデメリットを理解することで、読者の皆様が自分や家族に最適なお墓選びができるよう提案いたします。
この記事を書いた人
立ち華葬祭 COO 高橋 哲彦
葬儀業界歴20年。その中で対応した葬儀の施行件数は3000件以上。
現在は川越市の葬儀社「立ち華葬祭」でCOO(最高執行責任者)として、お客様の理想の葬儀をお手伝いしております。そしてその専門知識や経験をもとに、川越市を中心とした方々に葬儀の役立つ情報をご提供しています。
墓地の種類
公営墓地
公営墓地とは、地方自治体が管理する墓地のことです。墓地のレイアウトやデザインは一定の統一性があり、一般的に整備されています。また、費用が安価になることがメリットに挙げられます。
公営墓地は、一般的な葬儀や埋葬のニーズに応えるために設置されています。しかし、地域や自治体によって異なる場合もあるため、具体的な利用条件や制約については、各地方自治体の規定を確認する必要があります。
民営墓地
民営墓地とは、個人や法人が所有・運営する墓地のことです。一般的には、宗教や信仰に基づいた特定の宗派や団体が所有していることが多いですが、公営墓地と比べて運営方針や料金体系が多様で、寺院墓地に比べて宗派・宗旨を問われることが少なく無宗教の人でも利用しやすいことはメリットです。
これらの墓地は、特定の信仰を持つ人々のニーズに対応しています。利用する際には、各民営墓地の利用条件やルールを事前に確認することが重要です。
寺院墓地
寺院墓地とは、寺院が管理を行う墓地のことです。信仰や宗教的な要素が強く関わっています。寺院墓地は、信仰心のある人々が教えに基づいて埋葬や供養を行いたい場合に利用されます。
また、こうした人々の多くは、その寺院の檀家となります。檀家とは、特定の寺院と深い関係を持ち、寺院の活動や維持に貢献する家族や個人のことを指します。そのため、利用する人からすると、手厚い供養と寺院での法要ができるのが、メリットになります。
墓地の種類 | 経営主体 | メリット | デメリット |
公営墓地 | 自治体 | ・費用が安価 ・運営が自治体なので安心 | ・抽選に当選しないと利用できない ・自治体に住んでいるなどの、利用条件がある |
民営墓地 | 宗教法人など | ・宗派などを問われず自由度が高い ・管理がしっかりしている | ・土地開発や管理がかかるため、管理費が高め |
寺院墓地 | 宗教法人 | ・手厚い供養 ・法要時に寺院を利用できる | ・檀家として費用負担が増える。 ・石材店を指定されることが多い。 |
墓地と霊園の違い
墓地と霊園はどちらも故人を埋葬する場所ですが、その設計と利用の仕方に大きな違いがあります。墓地は主に地方自治体や宗教施設によって運営され、特定の宗教や文化の慣習に基づいて管理されることが多いです。
これに対して、霊園はより広範囲にわたって計画的に設計された埋葬地で、公園のような美しい環境が特徴です。霊園は宗教や文化に関わらず一般の人々に開放されていることが多く、民間企業によって管理されることがあります。
お墓の種類
- 塁代墓:塁代墓は、亡くなった方の遺骨を納めるための墓の一種です。通常、一つの墓に複数の遺骨を納めることができ、家族や親族が代々引き継いで管理することがあります。
- 両家墓:両家墓は、結婚を通じてできた夫婦の両方の家族が共有する墓のことです。この墓には夫婦やその家族の遺骨が一緒に納められ、共同で管理されます。
- 個人墓:個人墓は、一人の亡くなった方の遺骨を納めるための墓のことです。通常、その方の家族や親族が管理し、その方の名前や生年月日、没年月日などが記された墓石が建てられます。
- 夫婦墓:夫婦墓は、夫婦が共に眠るための墓のことです。結婚した夫婦の両方の遺骨が納められ、共同で管理されます。
- 共同墓:共同墓は、複数の人々が共に眠るための墓のことです。一つの墓に複数の遺骨が納められ、家族や親族が共同で管理します。墓石には、納骨された複数の人々の名前や生年月日、没年月日が刻まれることが一般的です。
- 合祀墓:複数の遺骨を一つの墓に合祀(ごうし)することを目的とした墓のことです。通常、家族や親族などの関係者の遺骨が一緒に納められ、共同で管理されます。
納骨のタイプ
一般墓
一般墓は、個々の亡くなった方の遺骨を納めるための一般的な墓のことです。家族や親族が個別に管理し、それぞれの遺骨が別々の墓に納められます。
一般墓は、故人を偲ぶ場所として存在します。墓石には、その方の名前や生年月日、没年月日などが刻まれることが一般的です。
納骨堂
納骨堂は、遺骨を納めるための建物や施設のことです。通常、多くの遺骨を収容することができるように設計されており、一般的には公共の場所や寺院に存在します。
納骨堂は、遺骨を安置し、故人を偲ぶ場所として使用されます。また、家族や親族が定期的に訪れることができる場所でもあります。納骨堂には、遺骨を納めるための専用のスペースや仏壇が設置されていることが一般的です。
樹木葬
樹木葬は、亡くなった方の遺骨を樹木の下に埋葬する方法です。通常、特定の樹木や森林地帯が設定され、そこに遺骨が埋葬されます。
遺骨が樹木に還り、新たな命が育まれることを象徴しています。樹木葬は、自然豊かな場所での永遠の眠りを望む方々に選ばれる形式の一つです。
永代供養墓
手元供養は、お墓の代わりに家庭や特定の場所で故人を偲び、思い出を大切にする方法で、墓石代や維持管理の費用が不要となっており、費用を抑えられるメリットがあります。
家庭にある仏壇を通じて故人様を追悼できます。
まとめ
この記事では、日本のいろいろなお墓について紹介しました。公営墓地、民営墓地、寺院墓地など、それぞれのお墓には特徴があり、みなさんの宗教や文化に合わせた選択肢があります。塁代墓や両家墓、個人墓、夫婦墓、共同墓、合祀墓といったお墓の種類もあり、それぞれに意味や大切な役割があります。
大切なのは、お墓を選ぶ時には、自分や家族の考え方、経済的な状況を考えることです。今の時代に合ったお墓の選び方も増えてきています。これらの情報を参考にして、自分にとって最適なお墓を見つけることが大切です。
監修者
株式会社ルピナス 金子雄哉
全国の葬儀社を対象にしたコンサルティング及びマーケティング支援を行う、株式会社ルピナスの金子雄哉です。葬儀業界のデジタル化を推進し、より多くの人々が葬儀サービスを理解し、アクセスしやすくするための戦略を日々研究・提案しています。葬儀社の経営者様だけでなく、ご遺族様にとっても最良の葬儀が行えるよう、マーケティングの観点からサポートしております。